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145 兄トゥンプオルンクルの神の毛氈(サンプッの男と財産の横取りを企む姉)

あらすじ:奥田統己

 私はどうやって生まれたものなのか、姉さんに育てられていた。家の中にはりっぱな神の寝床があって、姉さんは食事を作ると上等の器に入れてまずその寝床に運び、中の人に食べさせてから私にも食べさせてくれた。私は誰が中にいるのだろうと思っていた。

 やがて姉は外に出ると二、三日帰ってこないようになった。私たちがお腹をすかせているところに帰って来ては、まず寝床の中で養われている人に食事をさせ、私にも食事をさせてから、考え事をしているようすだった。

 あるとき、やはり二、三日家を空けてから帰って来ると、寝床から上座まで上等の布をしいて「私の話すことをよく聞きなさい」と言った。すると寝床の中から神のような立派な人が出て来て上座に膝をついて座った。姉さんは先祖の話をしているようであり、私も聞いていると寝床で育てられているのは私の兄なのであった。話を聞き終わると兄はまた寝床の中に戻った。

 やがて、また姉が家を出たきり二、三日帰ってこない晩、寝床の中で人の気配がすると思うと兄が静かに出て来て私の寝床にやって来た。そして私に、「姉さんはよい心がけを持って私たちを育てているのではない。私たちを殺してサンプッの男を夫に迎えるつもりなのだ。今日これからサンプッの男が攻めてくるだろう。」と言った。そして私たちは寝間着を着替え、ゴザを2つ出して来て寝間着を着せ、私の寝床に入れて人が寝ているように見せかけた。私たちは寝床の隅に隠れていた。

 夜中になると誰かがやってくる気配があり、静かに這いながら兄の寝床に入っていった。しかし誰もいないので私の寝床にやって来て、そこに私たちが寝ているものと思って首のところを斬り、そのまま出て行ってしまった。

 そこで私たちはそれぞれ鎧を身に着けて男のあとを追って行った。サンプッの村に行き、男の家の窓からこっそり覗いてみると、男は「名高いシンヌタプカの勇者を俺は殺してやったぞ」と言って笑っている。そこで私たちはいったん家から離れ、改めて初めてやってきたようにして家の中に入って行った。

 兄は「お前は殺したつもりかもしれないが、神様のお陰で私たちは生きているぞ」と言いながらサンプッの男と戦いを始めた。私は集まって来た村人たちと戦った。そこへ姉もやって来て「悪い弟たちめ、せっかく殺したと思ったのに」といってかかってくる。

 私たちは励ましあいながら戦ったあげく、サンプッの男も姉も村人たちも地獄に突き落として村を滅ぼした。



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