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128 流行り病と見慣れない神の魚

あらすじ:高橋靖以

 私は裕福な長者で、おばあさんと一緒に暮らしていた。何不自由なく暮らしていたが、私には奥さんがいなかった。

 いつの頃からか、浜に神の魚(カムイチェッポ)とよばれる魚がたくさん上がり、村の人たちはそれをとってよい暮らしをしているという噂を聞いた。おばあさんはその噂のあるところへは決して行くなと言いい、私もそこへは行かずにいた。

 すると、いつの頃からか病気が流行し、村の人たちが大勢死んだという噂を聞いた。おばあさんは「恐ろしいものだ。おまえはこの村から逃げたほうがよい」と言った。私は年老いたおばあさんを置いていきたくはなかったが、仕方なく一人で村を出た。

 私は川に沿って逃げた。途中、流木の集まっているところで何度か泊まり、さらに川に沿って行った。尾根を越えて沢を下ると、とある村に着いた。家の前に来て咳払いすると、娘が出てきてすぐに中に入り、「外に見知らぬ若者が来ています」と言った。すると家の中で「招き入れなさい」という声がした。私は家の中に入った。

 家の中に入るとおじいさんとおばあさんがいた。二人の若者がいて山に行っているようだった。おじいさんは「どこからきたのか」と聞くので、私は村を出てきた事情を話した。するとおじいさんは「ここに泊まりなさい」と言った。山に行った若者が帰ってくると、私は家の人たちと歓談した。私は村に滞在し、若者たちとともに山に出かけたりした。

 そのうちにおじいさんとおばあさんは「娘をあなたに与えよう」と言った。私は別の家を建てて、娘とともに何不自由なく暮らした。

 以前いた村の様子を見に行くと、おばあさんは既に亡くなっていた。私は立派な墓を作り祈りの儀式をおこなった。そしてまた隣の川筋の村へ戻った。

 私は子供に恵まれ、子供にこれまでのことを語り、「知らない魚は決して食べるものではないよ」と言い聞かせた。そして私は年老いた、とどこかの人が物語った。



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