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120. 人間の村の飢饉を救った狩り場の神の話

話 者:川上まつ子
資料番号:34718
収録日:1986年9月30日
「私」:狩り場の神
サケヘ:ペットゥペットゥ
翻 訳:安田千夏
サンプル音声

<あらすじ>

 私には奥さんがなく、ゴザを編むこともできないので、ガマの上に座っていつもと変わりなく暮らしていました。ある日、神窓のところに影がさしたので見ると、酒椀と削りかけ付き捧酒箸が動いている様子が見えました。同時にオキクミの言葉が届きました。

 「人間の村に飢饉がやって来て、人間たちが皆飢えて死にそうになっています。私が大きなザルに食料を入れて人間たちに分けてあげていましたが、それももう底をついてしまいました。たくさんの木幣をさしあげますので、狩り場の神よ、シカを出し魚を出し、どうか人間を助けてください」

 その酒椀を取って中身の酒を行器にあけると、12個の行器が酒で満たされました。そこで神々を招待し、酒宴を開きました。

 魚やシカの神様にわけを訊くと、人間が獲物を獲っても木幣ひとつよこさない、捕り方の作法もなっていないということでした。今後は必ず礼を尽くすように人間に言い聞かせるからと約束して説得すると、倉にいってシカや魚の骨を出して来てくれました。それを狩り場にばらまくと、シカの群れ、魚の群れが狩り場に満ちあふれました。

 人間たちはそれを捕って食べて元気になり、人間たちからお礼の酒や木幣がたくさん届いたので、また神様たちを招いて盛大な酒宴を催しました。神様たち、人間たちみんなに感謝され、ますます神格をあげて暮らしているのです。



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