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30. 自分たちがポロトコタンに来ることになったわけ(即興の物語)

話 者:織田ステノ
資料番号:34141
収録日:1981年8月2日
「私」:織田ステノさん自身
翻 訳:安田千夏
サンプル音声

<あらすじ>

 私はひとりの年老いたおばあさんでした。ひとりで寂しく暮らしていましたが、となりの川筋の川上に住むおばあさんと仲良くお互いに訪ね合っていました。ある日どこからかやって来た立派な旦那さん、和人なのかアイヌなのか、それとも神であるのかわからないような人がこういいました。「おばあちゃんたちはひとりで暮らしていて、さぞ寂しいことでしょう。私と一緒に大きな村に行きませんか? そこに行ったら、殿様とお話ができるのですよ。よく考えて返事をください」そして帰って行きました。

 私ともうひとりのおばあさんは相談して、面白そうだからいってみようという話になりました。旦那さんにそれを伝えると、大きな舟(車)に乗って私たちを迎えに来ました。その舟に乗ると、いくつも村を越えて走るので、私の耳元で風がごうごうと鳴りました。そして大きな村の大きな屋敷に着きました。「ふたりはここで暮らして、色々な人と話をしてください。時々私も訪ねて来ますから」といって置いていかれたので、その屋敷で暮らしています。その旦那さんはとても心がけのいい人で、色々な美味しいものを持って訪ねて来てくれます。私が「動かないでいると眠くなってしまいます。何か手仕事がしたい」というと、シナノキやオヒョウの木の皮を山のように持って来てくれました。毎日その処理をしていたところ、海の向こうから突然色々な人が来ては家に飛び込んで来るので驚いているのです。

 今はもう先祖供養の時期が近づいて来たし、冬に手仕事をするための草も刈りたいので、この月の半ばには自分の家に帰ろうと思っています。でも旦那さんは「そんなに急いで帰らないで」と言って、夜でも昼でも私たちを訪ねてやって来るのです。旦那さんは私たちを大切にしてくれ、食事も作ってくれるので、心から感謝しているのですよ。



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