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15. 妹の機転のおかげで村が救われた話

話 者:織田ステノ
資料番号:34120
収録日:1980年2月23日
「私」:あるアイヌの村に住む、兄弟姉妹がたくさんいる家の真ん中の娘
翻 訳:安田千夏
サンプル音声

<あらすじ>

 父と母、たくさんの兄弟姉妹たちと一緒に暮らす女の子が私でした。男の兄弟たちは山猟に精を出し、女の兄弟たちは畑仕事などをして、年老いた両親の世話をして暮らしていました。

 ある日突然に妹が「姉さん、早く食料を荷物にして作って!」と言いました。突然何事だろうと思ったのですが、あまりにも急かすので言われるままに荷物を作り、宝物や器類、きれいな模様の入ったゴザも荷物にして背負いました。妹は山に行って家を造るのだと言います。驚く父や母を置いて、荷物を背負って家を出て川をさかのぼって行き、神の山が見えるところで家を造りました。

 食事の支度をして食べ終わると、妹は「私がする通りにしてください。決してしゃべらないように」と言いました。何だろうと思っていると、真夜中になった頃、山から3人の男たちが下りて来ました。家があるので様子をうかがっているようです。妹は平然として「夫がいなくて寂しいのでどうぞお入りください」と言いました。寒気に襲われながら見ていると男たちは家に入って来ました。男たちに食事をさせてから妹はさらにこう言いました。「私たちは女ばかりで逃げて来たものなので、火の神に祈りたくても祈れないのです。どうか儀式をしてください」。そこで男たちは言われるままに儀式をし、酒を飲み、横になって眠るように妹から促されました。

 男たちが寝入った頃、妹はなんと男たちに馬乗りになり、小刀を出して喉を切って殺してしまいました。そして「姉さん、この者たちは夜襲の先発隊です。早く私たちの村人に知らせに行ってください」と言いました。姉は恐がって泣きながら川を下り、夜が明ける頃に村人を連れて帰って来ました。わけを話すと、村人たちは走っていって、さらに川の上流に建てられた本隊の家に飛び込み、そこに寝ていた悪者たちをみんな殺し、すべて燃やしてしまいました。妹は小さい頃から透視ができて、悪者たちが村を襲いに来る様子が見えたので、先手を打ったために村は助かったのですよ、とある村に住む娘が物語りました。



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