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アイヌ語辞典

植物編 §009 ノコギリソウ Achillea sibirica Ledeb.

(1)retannoya レタンノヤ [retar(白い)noya(もみ草)] 葉 ⦅A十勝

(2)ererep 『エレレプ』 ⦅C日高国静内郡⦆
 注1.――正しい形はiriripであろう。後で説明する。

(3)ikuru 『イクル』 ⦅C日高国静内郡⦆
 注2.――正しい形はikurであろう。理由は後で説明する。
(参考)「レタンノヤ」と言えば他の地方(例えば胆振国幌別郡)では文字通りシロヨモギをさす。ノコギリソウを白いと言ったのはその白花のもの(lusus albiflora)について言ったのであろうか。「ノヤ」は普通にはヨモギの葉を言うが、語源は「もむ」の義であったらしい(§1、参照)。アイヌはヨモギに除魔力を認めて、その葉をもんで傷の手当に用いたのである。
 本項のノコギリソウもまた、名称の原義から見て、同じ目的に用いられたらしい。
 日高国静内郡に、「エレレプ・ウシュ・ナイ」あるいは「イクル・ウシュ・コタン」と称する地名があり、永田方正氏の調査によればそれぞれ「ノコギリソウ・ある・沢」「ノコギリソウ・ある・村」の義であるという(蝦夷語地名解、p.251)
 「エレレプ」は恐らくiririp すなわち「ちくちく刺すもの」の義で、この植物の葉をさし、その葉が鋸葉状を呈する形態上の特徴に基づいた名称であり、「イクル」は恐らくikur で、藻汐草にヨモギの名称として挙げてある『チクルペ』などとも同じ語源で「当てるもの」の義に解される。たぶんこの葉をもんで傷口に当てた呪術的医療行為に基づいて名づけられた名称であろう。

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