
ID |
伝承者 |
日本語名 |
伝承者の アイヌ語名 /日本語名 |
伝承 |
1211 |
黒川 セツさん
平取町
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P0345
タチギボウシ
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【ア】ウクルキナ
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・汁物に入れて食べるのは知っていますが、干して保存をするというのは知りません。35267 |
1212 |
新井田セイノさん
鵡川町
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P0362
ショウブ
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【ア】スルククスリ
【日】ショウブ
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・魔よけのため家の前に植えました。35243 |
1213 |
織田ステノさん
新ひだか町静内
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P0362
ショウブ
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【ア】スルククスリ
【日】ションブ
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・根を家の壁にかけておき、魔よけの意味で懐に入れました。34139
・ヘビに足をかまれて歩けなくなった時、ヨモギとショウブを火にくべ、その上にかまれた足をかざして煙にあてました。その後これらの野草をお湯で煮た汁を布にしみこませて傷につけておくと、翌日には歩くことができるようになりました。34141
・ノミを駆除するためといってショウブを敷きつめた上に寝たことがありますが、そのにおいがきつくて酔ってしまい大変な目にあったことがあります。34143(34153) |
1214 |
川上まつ子さん
平取町
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P0362
ショウブ
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【ア】スルククスリ
【日】ショウブ
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・おかゆに入れましたが、入れすぎたらしく食べた人が苦いと言っていました。34626,34630
・お腹が痛いときは葉を細かく刻んで水と一緒に飲ませました。34630
・子供のえりに魔よけとして刺したり、小さな袋に入れて首からさげておきました。小さい子は嫌がって取ってしまうので、頭のてっぺんにシナノキの皮の糸でしばっておきました。34641,34713(34606,34630,34715,34729)
・あかちゃんが寝ないときはショウブを家の中に貼っておまじないをすれば眠りました。
・寂しいなと思ったときに、葉や茎を窓につけたり、まきながら「このにおいを嫌う者は外へ出なさい」と祈りました。弔問などのときは葉を丸めて懐に入れるといいと言われました。風邪をひいたときにも家の中にまきました。クマや伝染病の神はショウブのにおいを嫌がって近寄って来ないといいます。
34613(34624,34630)
・死んだ人のお棺の中に入れました。34722,34674・伝染病の神が来たら、かんで吹きつけました。→口承文芸資料「伝染病の神が来る時には光が見える」34701 |
1215 |
川上 シンさん
平取町
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P0362
ショウブ
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【ア】スルククスリ
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・おかゆにして食べました。35003
・風邪やお腹が痛いときにお湯で煮た汁を飲みました。35005,35007,35008
・魔よけにしました。35004,35007 |
1216 |
黒川 セツさん
平取町
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P0362
ショウブ
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【ア】スルク
【日】ショウブ
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・お腹が痛いときに根を刻んで飲みました。35270 |
1217 |
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P0362
ショウブ
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【ア】スルククスリ
【日】ショウブ ソンブ
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・お湯で煮た汁を虫くだしに飲んだりしました。
・魔よけに懐に入れました。
・夢見の悪いときに枕に入れました。
・畑仕事の途中で休んでいると、ある人のおしりにヘビが入り抜けなくなりました。ショウブのお風呂に入りましたが駄目で、命を取られたという話を聞いたことがあります。 |
1218 |
織田ステノさん
新ひだか町静内
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P0367
ザゼンソウ、ヒメザゼンソウ
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【ア】シケレペキナ
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・葉をゆでてから干して保存しておきました。「神の山菜」といわれ、人間が儀式をするために天から降ろされた野草だといいます。伝染病の神をよそへ送る儀式のときなどに、供物のひとつとして神に捧げました。34124(34138,34178,34181,34182)
・食べるときは水でもどし、干したキハダの実を刻み、その汁に油や塩を入れ、そこへ刻んだヒメザゼンソウを入れて弱火で煮て味がしみてから食べました。34181
・飼いグマに食べさせました。34181
(注:織田氏のいう「シケレペキナ」はヒメザゼンソウに同定されます。 |
1219 |
川上まつ子さん
平取町
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P0367
ザゼンソウ、ヒメザゼンソウ
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【ア】シケレペキナ
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・少しとって、ゆで干しをすると黒くなります。それを保存しておき、昔の人はおやつのように食べていました。34645(34651,34715,34733) |
1220 |
黒川 セツさん
平取町
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P0367
ザゼンソウ、ヒメザゼンソウ
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【ア】シケレペキナ
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・風邪など病気の神様をよそへ行かせる儀式のために年配の男性が使いました。半干しになったものはとても甘いものでした。35267 |