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物語や歌

C183. 金色のえぞ松(カオリ)

あらすじ


 オタサムの村に兄妹が一緒に暮らしていて、海岸のやぐらのところでこのように言いました。「この大きなエゾマツを切った者に妹をやろう。」この話を聞いて遠くのカムイ(神)や近くのカムイたちが集まってきました。そして、二度三度エゾマツに伐りつけましたが、伐りつけたところから黄金の水が湧き出てふさがってしまいます。伐りつけたカムイの口や鼻からは血があふれ、倒れて死んでしまいました。
 そのような話を聞いて、私は腹が立ち、カムイをかわいそうに思ったので、行ってみることにしました。貧乏人の着物を着て、粗末な幅広の帯を締め、みすぼらしい山刀を身につけ準備をしました。鼻水を自分に塗りつけ、くしゅんくしゅんしながら行くと、聞いた通りに、海岸の上の大きなやぐらのところで、オタサムびとの兄が妹と共に暮らしていてこのように言っています。「こんなにカムイがたくさんでやって来ても切れないのに、なんとまあ、あのような悪いカムイが自分は切れると思っているのだろうか。生意気にも聞きつけてきたようだよ。」妹はそれを聞いて身をよじらせ腹を抱えていました。私は聞いていないかのように、ゆっくりとタバコを呑んで、手に唾を付けました。すると妹はいっそう可笑しそうにしています。エゾマツの下にはたくさんのカムイが死んでいました。そこに行って私は「一体いつからお前たちはみんなそろって寝ているのだ。起きなさい。」と言い、踏みつけたり揺すぶったりして起こしました。すると、カムイたちは目を擦り擦りして起き上がって行ってしまいました。その後で、私はみすぼらしい山刀を引き抜いて、エゾマツに伐りつけると、倒れる音がバリバリと響きました。あんなにも可笑しそうにして笑っていた妹は家の外に出て、泣きながら、「私の悪い兄さんがいろいろ言ったために、私はこんな悪いカムイのところへ行かなければならなくなってしまった。」と話しました。
 私はそれを聞かないで、見えないように自分の後ろに霞をかけて家に戻り、何事もなかったように暮らしていました。私のことを探して妹は泣きながら荷物を背負って戸口のところやってくると、「私の悪い兄さんがいろいろ言ったために、私はこんな悪いカムイのところへ来ることになってしまった。」と嘆き、大威張りで入って来ましたが、私の姿を見てびっくりし、後退りし外で泣いていましたが、私は知らん振りをしていました。「このような立派なカムイの姿で来たなら、私は馬鹿にした言葉を言わないけれど、変装してきたから馬鹿にした言葉を言ってしまった。決まりが悪いわ。」と嘆いて泣いた挙句にようやく、少しずつ這いずり這いずりしながら家の中に入ってきました。
 私は汚い姿に身を変えて行った自分にも悪いところがあったと思ったので、それから一緒にこの妹と暮らしています。
と偉いカムイが語りました。

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