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物語や歌

C060. 人間に火を授けた女神

あらすじ


 イアラモイサム(途中からオタスッ)の村に住むひとりのアイヌの男性が私でした。ある時、ある村に神の建てた館があるという話を聞きました。その館は材木で壁が造られていて、どこから入ればいいのかわからないような館だということでした。館からは煮炊きの煙があがっているので、人々は火をもらいに行こうとして家のてっぺんまで登っていくのですが、真ん中まで登らないうちにみんな落ちて気を失ったり死んだようになってしまうというのです。人々が可哀想で腹が立ったので、自分でその館まで出かけていくことにしました。

 その館の前に着くと、噂通り入り口がなく、どこから館に入っていいのかわからないので、神に助けを求めながら館の壁を登っていきました。てっぺんまでいくと、人間が通れるくらいの穴が開いていることろがありました。そこから家の中を覗いて見ると、何とも美しい女性が糸縒りをしているのが見えました。そしてその穴から私は家の中、神座の上に落ちてしまいました。そしてかしこまって座っている女性に「一体どうしてこの家に来た人間たちは、皆落ちて気を失って死んだようになってしまうのだ」と問いただしました。すると女性はこのようにいいました。「私は天の国から降ろされた神なのです。神々が、人間の国に天から火を降ろして、人間の勇者がやって来たならば火を与えようと相談した結果降ろされた神が私であったのです。やって来た人間は皆館を登る途中で落ちてしまったけれど、オタスッの旦那さんは本当の勇者なので、やって来ることを信じて今までお待ちしていたのです。どうぞこの館の火を持っていって、人間たちに火をお与えください。私は何も悪い心を持っていたわけではないのです。どうぞ怒らないでください」。

 そこで私は神々に感謝し、火を受け取ることにしました。また火の女神は「私は天から降ろされた神であり、長い間人間界で暮らすことができませんが、オタスッの旦那さんと結婚するようにと神々から言いつかって来たものですから、2年か3年、短い間ですが一緒に暮らしてください」といいました。そこで女神の作った食事をして結婚の誓いをし、私は火を持って館の外に出ました。外で気を失っている人たちを起こすと皆驚いて起き上がりました。そして人々に今までのいきさつを話し、火を持ち帰って大切に使うように教えました。火を持っていって分配した先の人々は喜んで、皆神々に感謝しました。

 その後火の神の女性は私の家にやって来て、一緒に暮らしました。やがて男の子を授かり、次に女の子を授かりました。すると神の女性はこういいました。「私は人間界で長く暮らすことはできないので、娘を連れて神の国に帰ります。私が帰っても決して私を慕わず、やって来た女性と新たに結婚して暮らしてください」。そして娘の手を取って神の国に帰っていきました。悲しくて泣きましたが、妻のいっていた言葉を思い出し、それからは泣かずに男の子を大事に育てて暮らしました。そのうちにどこからか立派な女性がやって来たので結婚して暮らすと、子どもがたくさんできました。神の女性との間に先にできた子も、家族と仲良く暮らしました。

 若い頃出会った火の神の女神は髪の毛もまつ毛も金色の、美しい女性でした。長男はその神の子孫なので、皆喧嘩をせずに仲良く暮らしなさい、心がけのいい人になりなさいと言い残して死んでいきます、とオタスッの男が物語りました。

 

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