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物語や歌

C048. アイヌにタモギタケを授けたマムシ神

あらすじ

 

 私はたったひとりで暮らす男でした。人の姿を見たこともなく、ひとりで山猟をしながら暮らしていました。ある日西の方に、煮炊きの煙が上がっている大きな家があるのが見えました。2、3日して雨が降ったので家にいたところ、あの家に行ってみたくなりました。準備をしてその家に向かって出かけて行き、その家の前まで行くと、家の外まわりがきれいに掃き清められているのに感心しました。そして家の中から背が小さくて色の黒い、目つきの鋭い少年が出て来ました。「入ってお休みください」と言うので、誘われるまま家に入ってかしこまっていました。するとあの少年が「あなたをここに来させたのは私なのです。その理由をお聞かせしましょう」と言って、編み袋を持って外に出て行きました。そして家の外に生えている木から何かを取り、それを袋に入れて戻って来ると鍋でそれを煮始めました。できた料理を私に出してくれて「さあ食べてください。そしたら理由をお聞かせしましょう」と言うので、食べたことはおろか触ったことすらないものを食べるのは恐ろしかったのですが、少年は自分でどんどん食べながら勧めるので私も汁をすすってみました。するととてもおいしく、すっかり食べきってしまいました。すると少年はこのように言いました。「じつは私は天から降ろされたマムシの神なのです。私たちの食糧はあなたが食べたタモギタケであって、人間たちはこのキノコが食べられるということを知らず、あなたも家の外にたくさんあるのを食べずに腐ってしまうのを見ていました。これで食べられることがわかったのだから、これからは食べるようにしてください。そしてマムシの中には悪さをするものもいますが、悪さをしないものもいます。悪さをしないものを叩いてはいけませんよ。私があなたをここに呼び寄せた理由はそういうことなのです」と言いました。「神様のおかげで、家のまわりにたくさんあるものが食べられることがわかりました」と感謝をして家に帰りました。そして家に帰ってからタモギタケをシカやクマの脂身と一緒に煮て食べ、火の神に感謝の祈りを捧げました。そして夜になって外に出てみると、不思議なことにあの少年がいた家がなくなっていました。
 それからしばらくすると私の家に人が来るようになりました。そしてタモギタケが食べられることを教えると感謝され、また私はマムシの神を無闇に痛めつけてはならないということを教えました。少しずつ近所に家が増えていき、やがてにぎやかな村になりました。それからもマムシの神の教えを人々に伝えながら年を取って死んでいくのですとひとりの男が物語りました。

 

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