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自然図鑑 検索結果

日本語名:サケ(鮭)、あきあじ、あきやじ

アイヌ語名:カムイチェプ

利用:食用、生活用具、衣、祈り

サケ

サケ

学名Oncorhynchus keta
科名サケ科
種類魚介類
種IDA0067

サケの仲間は、川で生まれた後に海へ下り、成長すると再び卵を産むため生まれた川に戻って来ます。
 アイヌ文化では、秋に大量に川を上って来るサケは重要な食糧でした。そのまま食べるのはもちろんですが、大量にとったもののほとんどは干して保存食にします。秋一番にとれたサケを火の神に捧げ祈りの儀式をしたという地域がある一方で、季節の最後に上って来る小型のサケを「木幣を持つサケ」と呼び、祈りの儀式をしたという地域もあります。また皮は別に干しておき靴を作りました。
 樺太では着物を作りました。
 口承文芸の神謡や昔話では、神様の中には「魚(サケ)を出す神、シカを出す神」という人間界に獲物を出す担当の神様がそれぞれいて、人間の狩りの作法が悪いことに腹を立てて獲物を出さなくなり、人間の村に飢饉が訪れます。その後異変に気づいた偉い神様の説得もあり、今後は人間が態度を改めるという約束で獲物を出し、再び魚(サケ)やシカたちがあふれるようになったという話があります。

サケの寒干し(博物館)

サケの寒干し(博物館)

干し鮭(サッチェプ)

干し鮭(サッチェプ)

アイヌ語辞典

動物編:動067(1)
アイヌ語名:チェプ cep
地域・文献:虻田幌別白老

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アイヌの伝承

織田ステノさん

織田ステノさん
新ひだか町静内

アイヌ語での呼び方:カムイチェプ
・雄のサケの皮は厚く、雌は薄いのです。大きなサケの皮で靴を作りました。炉で焚いている熱い灰を踏むと穴が開いてしまうので、玄関の土間で脱ぎ、畳んで床材の干し草の下に入れておけば冬でも凍ることがなく、急な用事があれば取り出して履くことができました。サケの背びれが足の裏に来るので滑り止めになり、底の皮は厚く丈夫でした。大切に履けばひと月くらいは持ちました。34128,34156
・伝染病の神を送る儀式では、供物にヒメザゼンソウやオオハナウドの干したもの、たばこ、穀物、干しザケの頭や尾びれを供物として捧げました。34124,34438
・サケの氷頭たたきという料理があります。34155
→口承文芸資料「ヘビ神に化かされたクマ神」34103,34104
  「女の腹にサケが飛び込んだ」34120

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物語や歌など

織田ステノさん

織田ステノさん
新ひだか町静内

女の腹にサケが飛び込んだ
 ユウベツ川の中流の村で、父と母、兄と姉、そして年寄りたちと暮らす末っ子の女の子が私でした。水汲みが私の仕事で、それ以外ににも母や姉の仕事を手伝って、何不自由なく暮らしていました。ある年の秋、サケが川に上って来る時期に川で水を汲んでいました。サケが川に上る様子を見ながら水を汲んで家に帰って来ると、急にお腹が痛くなって私は暴れ出しました。まるで魚が陸に上がり、体をバタバタさせる様子とそっくりです。村の男の人たち、年寄りたちが集まって来て神に祈り、お祓いをしても効き目がなく、お腹は痛いままでした。

 (話者が代わって)ユウベツ川の下流の村の村長の息子が私で、父や母はもう年を取ったので私はひとりで働いて暮らしていました。ある時父が「ユウベツ川の中流の村で、村長の娘が死にそうになっているという。息子よ、明日その村を訪ねていきなさい」と父がいうので驚きました。その夜眠ると、黒い着物を来た男性が私の前に現れてこういいました。「これ若者よ、明日中流の村を訪ねていったら、祭壇を立てて祈りなさい」といって詳しく祈り、お祓いの方法を教えてくれました。「その娘は尻を丸出しにして水を汲んでいたので、そこからサケがお腹に飛び込んだので転げ回って苦しんでいるのだよ」とも教えてくれました。

 翌日中流の村に行き、夢で教えてもらった通りに手草でお祓いをすると、娘のお腹からサケが体をバタバタさせながら飛び出して来たので、皆すっかり驚いてしまいました。そのサケはいたずらをする悪いサケなので、体をぶつ切りにして祭壇に置きました。それからまた娘を祭壇にくぐらせてお祓いをし、薬を飲ませて看病すると気がつきました。

 翌朝になって娘がさんざんに皆から叱られる様子を見てから帰ることにすると、村長は私に「どうかこの娘を下働きにでも使ってください」というので「それでは後で来させてください」といい、内心はとても腹が立ちました。家に帰って父や母にことの次第を説明すると驚きあきれていました。

 翌日炊事をしてから山猟に行き、獲物を背負って帰って来ると、あの娘がやって来る様子が見えました。父や母にいうと「神のはからいで一緒になるのだ。これからは奥さんと呼びなさい」といわれ、腹が立ったけれど夫婦になりました。子どもがたくさん出来たので、子どもたちに「水を汲むときは決して尻を出すのではない」と言い聞かせ、年老いたので昔のことを物語りました。

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