調理
肉は動物の新鮮な内臓以外、生で食べることはほとんどなく、汁ものに入れたり煮たり焼いたりしました。
魚類は、串に刺して焼いて食べるほか、乾燥させたものを汁ものに入れたりしました。サケを冬期に戸外で凍らせ、そのまま食べたりもしました。
ヤマブドウやクロミノウグイスカグラ(ハスカップ)などの果実は生食し、山菜類は魚や肉とともに汁に入れたり、粥やご飯などに炊いて食べました。
料理の種類
オハウ、あるいはルルと呼ばれる、具だくさんの汁ものが主食でした。入れる材料によって多くの種類があります。
副食としてサヨとよばれる粥(かゆ)を食べました。粥も、ヒエ粥、アワ粥、イクラ入りの粥など、多様です。
その他、ラタシケプとよばれる山菜や野菜の煮物や、焼き魚、穀物の団子など、さまざまな料理があります。
調味料としては、主に塩が使われるほか、寒冷地での熱量の摂取および味をまろやかにするために、油脂が多く用いられました。
貯蔵
アイヌは、狩猟、漁労、採集、農耕等によって得た食料の多くを、越年用、あるいは飢饉に備える食料として、高床式の倉に貯蔵しました。
クマやシカなどの獣肉は、鍋で煮てから天日で乾燥させ、さらに屋内の火棚で炉の煙にあてて燻製にしました。できあがったものは、樺の樹皮で包んで束にするなどして、倉の中に貯蔵しました。
サケ、マスなどの魚類は、背割りや頭をとって二つ割きにしたものを、天日で乾燥させた後、燻製にして、同じく倉のなかに貯蔵しました。その際、サケは脂の落ちた産卵後のものを用い、マスは脂気が多くて腐敗しやすかったので、焼き干しにしてから乾燥させました。小魚の焼き干しなども作りました。
山菜や農作物は、そのまま、あるいは一度茹でてから乾燥させ、倉に貯蔵しました。オオウバユリは、鱗茎を臼でつき砕き、水に沈殿させて澱粉をとりました。残りの繊維かすも、発酵させてから円盤状の団子をつくり、乾燥させた後、屋内に吊るして保存しました。 |