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ムックリを持っているけど、うまく鳴らせないという方、引き出しの奥に眠っていませんか? カチカチいうのはムックリのせいじゃありませんよ(たぶん)。もう一度、基本をおさらいしましょう。

「ムックリってなに?」というあなたも、ぜひ一度、アイヌ民族博物館に遊びにきてください。丁寧にご指導いたします。


 

ステップ 1 ムックリってなに?
ムックリは、アイヌの代表的な楽器です。日本語では一般に「口琴」、英語では「ジューズハープ」と訳されます。同種の楽器はアイヌばかりでなく世界中にあり、金属でできたもの、糸をつけずに直接弁を指ではじくものなどさまざまです。アイヌにも金属製のムックリ(カニムックリ)がありますが、ここで紹介するのは竹製のムックリです。
ムックリは、長さ10〜15cm、幅が1cmほどで、板状になった竹を素材に用います。その薄い板の中央に弁(リード)がついていて、弁の根元には棒のついた糸が結びつけられ(写真左側)、反対側の一端には楽器をしっかり握るための糸(写真右側)がついています。
糸をひっぱると弁が振動して「ビョーンビョーン」という音が出ます。それを口に当てて口内に共鳴させ、口の形や呼吸に変化をつけることでさまざまな音色の変化を生み出します。同時に複数の音を出したり、音程を変えて簡単なメロディを奏でることだってできます。単純な構造の楽器ですが、たいへん奥が深い楽器だとおもいます。
ステップ 2 糸の調整
2本ある糸のうち、輪になった糸は、親指を除く4本指が入る大きさが適当です。必要に応じて、結び目を調節して下さい。

竹ひごがついた方の糸は、右の写真のように、ムックリの裏(ザラザラした面)から表(ツルツルした面)へ回して下端に届くぐらいが適当です。たいてい長めになっていますので、糸を輪にして竹ひごに巻き、長さを調節して下さい。

ステップ 3 持ち方
ムックリのツルツルした面(表)を自分に向け、幅の広い方を右、狭い方が左になるように持ちます。
輪になった紐は、結び目を端にし、ねじれがないようにします。そこに左手小指を付け根まで入れます。

糸は2本とも手のひらの内側を通し、糸をピンと張ります。

そのまま手を握り、親指でムックリの端をしっかりと押さえます。その際親指は、糸穴から0.5〜1cm左側を持ち、ムックリと一直線になるようにします。

握った紐にたるみがあってはいけません。必要があれば、再度輪の大きさを調節して下さい。

もう一方の紐は、右手の人差し指と中指の間に挟み、軽く握ります。

左ひじ、左親指、ムックリ、右手が一直線になるようにします。

ステップ4 弁を振動させる

そのままの状態で、弁を振動させる基本動作を練習します。

左手は動かないように、しっかり固定します。

右手は、ドアをノックするような気持ちで、ほぼ真横(10度ぐらい前方)に引きます。テンポが速くなりすぎないように、ゆっくり練習して下さい。

このとき、ムックリの弁が振動し、かすかに音がしていることを確認してください。この振動が最も大きくなる力加減、右手の動きをマスターして下さい。

「カチカチ」と雑音が入る場合は、右手を引く角度に問題があります。

この動作を繰り返し、コンスタントに音が鳴るように練習します。勘の良い人であれば、10分ほどでコツが分かるはずです。

この段階で音が出ていなければ、次のステップへ移っても良い結果は出ないでしょう。鏡の前で自分の姿勢をチェックするのも良い方法です。

ステップ5 口に共鳴させる

さて、以上をマスターしたら、次は口にあててムックリの音を共鳴させます。

左手を左頬に強く押し当てます。位置は、左手の親指の先が、口の左端にくる位が適当です。

口の中を大きく開き、唇はムックリの端に軽く触れるか触れない程度にすぼめます。

次に右手を動かしてみましょう。

このとき、姿勢をもう一度チェックして下さい。左ひじを張り、左手が頬にしっかり固定されていなければなりません。右手と一緒に左手も動いてしまっては、音は出ません。

口の開きを加減し、最も大きな音で響くポイントをマスターして下さい。

ステップ6 演奏法のいろいろ

大きな音が出ましたか?

口に当てない状態では、あなたのムックリに固有な一つの音しか出ていませんが、口に共鳴させると、実際にはもう一つ別な音が出ています。共鳴によって出ているこのもう一つの音は、口の形、舌の動作、呼吸などによって、変幻自在に変化させることが可能で、これこそがムックリの醍醐味です。

口の開き方を変えてみて下さい。音が変わったでしょう?

舌を動かすと、こんな音が出ます。
右手の動きに合わせて、リズミカルに呼吸をしてみて下さい。息を当てると、より大きな音がします。呼吸は腹式呼吸。胸で呼吸していると過呼吸に陥り、10分で卒倒するでしょう。

これらを組み合わせてみましょう。

このコーナーではごく基本的な演奏法を紹介しましたが、その他にも演奏者によってさまざまな裏ワザがあります。あなたなりのワザを極めてください。

ステップ7 模範演奏

演奏者:松永八重子さん(元アイヌ民族博物館)

白老が誇るムックリの名手です。いろいろな裏ワザを使っていますので、じっくり聴いてみましょう。下のリンクをクリックしてください。

mp3(1.1Mb) 2'20"


北海道白老郡白老町若草町2丁目3番4号 一般財団法人アイヌ民族博物館

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