VI-5.祖先に食べ物の献上(イチャラパ)
戸口から出したものを別火の前に横にずらりと並べ、全員がゴザに座る。白老の古老がまず最前列にいてオンカミした後、トゥキに入った酒をイクパスイで火に捧げ、食べ物を少しずつ手に取ってこれをちぎりながら2本のイナウの前と横にチャラパ(carpa・撒く)する。さらに箸でこれらの食べ物を何回か摘んでそれを一番前の地面に撒く。この間、男たちは座ってトゥキに入れた酒をイクパスイの先につけ、前方や横、後ろの三方へと振り撒くようにする。女たちも続いてそこに置かれた団子や果物、干魚をちぎって前方に撒く。酒もトゥキに入れられたままここにあける。水やタバコ、米も撒く。撒くときは大体「遠い祖先、近い祖先みんな一緒にこれを受け取り仲良く飲食して下さい」というようなことをいうし、またそれぞれがコタンの故人、親戚の故人の知りうる限りの名を呼んで撒いたりする。シンヌラッパが単にイチャラパともいわれることもあるが、それは、このように食べ物、飲み物をチャラパすることからいわれるようになっているのである。
こうして全員がチャラパし終わる頃には別火の前にちぎられた食べ物が山のようになる。一通り終えたら、そこで女性たちが立ち上がって手拍子をとり、「ホイヤーホッ、ホイヤーホッ」と掛け声をかける。つまり、それは人間界の喜びを祖先のもとに伝えるものだともいう。
全員が家の中に入る。全員着座し、そこで炉の火の神にオンカミしてこのシンヌラッパは終了する。
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| 118 食べ物を撒く(イチャラパ) |
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| 119 食べ物を撒く(イチャラパ) |
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| 120 火の神に儀式終了を報告する |
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本書および翌1990年に実施されたイヨマンテの実施報告書は、復刻合本として再刊されており、通信販売も可能です。
伝承事業報告書2〈イヨマンテ-日川善次郎翁の伝承による-〉
- 2002.11.30発行
- B5版294ページ
- 定価 2,625円
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