アイヌ民族博物館
 

  巻頭
I
イオマンテの準備

II
酒漉し

III
家に祀る神の着物替え

IV
前夜祭

V
本祭り

VI
祖霊祭

1
祖先に対する届けものの用意

2
祭場の設置

3
火の神への祈り

4
対訳

5
祖先に食べ物の献上
表3イヨマンテの主たるながれ

VII

終わりに
  奥付
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VI-5.祖先に食べ物の献上(イチャパ)

 戸口から出したものを別火の前に横にずらりと並べ、全員がゴザに座る。白老の古老がまず最前列にいてオンカミした後、トゥキに入った酒をイクパスイで火に捧げ、食べ物を少しずつ手に取ってこれをちぎりながら2本のイナウの前と横にチャパ(carpa・撒く)する。さらに箸でこれらの食べ物を何回か摘んでそれを一番前の地面に撒く。この間、男たちは座ってトゥキに入れた酒をイクパスイの先につけ、前方や横、後ろの三方へと振り撒くようにする。女たちも続いてそこに置かれた団子や果物、干魚をちぎって前方に撒く。酒もトゥキに入れられたままここにあける。水やタバコ、米も撒く。撒くときは大体「遠い祖先、近い祖先みんな一緒にこれを受け取り仲良く飲食して下さい」というようなことをいうし、またそれぞれがコタンの故人、親戚の故人の知りうる限りの名を呼んで撒いたりする。シンヌラッパが単にイチャパともいわれることもあるが、それは、このように食べ物、飲み物をチャパすることからいわれるようになっているのである。
 こうして全員がチャパし終わる頃には別火の前にちぎられた食べ物が山のようになる。一通り終えたら、そこで女性たちが立ち上がって手拍子をとり、「ホイヤーホッ、ホイヤーホッ」と掛け声をかける。つまり、それは人間界の喜びを祖先のもとに伝えるものだともいう。
 全員が家の中に入る。全員着座し、そこで炉の火の神にオンカミしてこのシンヌラッパは終了する。


118 食べ物を撒く(イチャパ)

 

119 食べ物を撒く(イチャパ)

 

120 火の神に儀式終了を報告する

 

本書および翌1990年に実施されたイヨマンテの実施報告書は、復刻合本として再刊されており、通信販売も可能です。

伝承事業報告書2〈イヨマンテ-日川善次郎翁の伝承による-〉

  • 2002.11.30発行
  • B5版294ページ
  • 定価 2,625円

 

 


北海道白老郡白老町若草町2丁目3番4号 一般財団法人アイヌ民族博物館

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