アイヌ民族博物館
 
 

トップアイヌ文化入門 イヨマンテV.本祭り >V-8.熊の前での祈り

  巻頭
I
イオマンテの準備

II
酒漉し

III
家に祀る神の着物替え

IV
前夜祭

V
本祭り

1
火の神への祈り

2
対訳

3
神窓から木幣を出しヌサに立てる

4
ヌサとそこに祀る神々

5
ヌサの飾り

6
仔熊を遊ばせる

7
肉体と魂の遊離

8
熊の前での祈り

9
対訳

10
団子撒き

11
天に花矢を射る

12
熊の解体(イリ)

13
毛皮をたたむ

14
神窓から家の中に招き入れる

15
神を迎えての祈り

16
対訳

17
頭部の解体と化粧・飾りつけ

18
化粧・飾りつけられた神を安置しての祈り

19
対訳

20
対訳

21
饗宴と男たちの作業

22
飾られた熊神の送り

VI
祖霊祭

VII

終わりに
  奥付
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V-8.熊の前での祈り

 熊の下になっているイヌンパニをとりはずし、別に用意した長さ70~80cmほどの丸太を入れて熊のあごを載せる。こうすると熊の顔が水平状態になる。そのような体勢にしたまま、今度は熊の前で日川翁の丁重な祈りが始まる。日川翁一人が熊のすぐ前にヌサを背にして座り、他の3人の古老たちがその横に座る。トゥキ4個とその上にイクパスイが載せられたオッチケがすぐ後ろのヌサの下に敷かれた花ゴザの上に置かれている。そのトゥキのひとつが日川翁に渡され、エトゥヌで酒がトゥキに注がれる。日川翁は右手にキケウパスイを持っている。他の3人の古老にもトゥキとイクパスイが渡され酒が注がれる。
 日川翁がキケウパスイで熊の口元あたりに2~3回ほど酒を捧げて、祈り言葉を述べる。この間、他の3人の古老がイクパスイで熊の頭部に酒を捧げる。ここで日川翁が述べた祈りは、「我らが育てた神よ!このように神々の計らいであなたは神の国、父母のお膝元に行かれるでしょうから、そこに無事に行けるように重々しい神からことづてがおありでしょう。ですから、怒る気持ちを決して持たず安らかに無事に神の国に着くことができるよう、この家から私がお祈りするのです・・・・・・。」というような意味のものである(V-9参照)。
 祈り言葉が述べられた後、日川翁をはじめとする4人の古老のトゥキとパスイは他の男たちや女たちに次々と渡されて行く。

72 休まれた熊神を前にしての祈り

 

73 休まれた熊神を前にしての祈り

 

本書および翌1990年に実施されたイヨマンテの実施報告書は、復刻合本として再刊されており、通信販売も可能です。

伝承事業報告書2〈イヨマンテ-日川善次郎翁の伝承による-〉

  • 2002.11.30発行
  • B5版294ページ
  • 定価 2,625円

 

 


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