アイヌ民族博物館
 

  巻頭
I
イオマンテの準備

II
酒漉し

III
家に祀る神の着物替え

IV
前夜祭

V
本祭り

1
火の神への祈り

2
対訳

3
神窓から木幣を出しヌサに立てる

4
ヌサとそこに祀る神々

5
ヌサの飾り

6
仔熊を遊ばせる

7
肉体と魂の遊離

8
熊の前での祈り

9
対訳

10
団子撒き

11
天に花矢を射る

12
熊の解体(イリ)

13
毛皮をたたむ

14
神窓から家の中に招き入れる

15
神を迎えての祈り

16
対訳

17
頭部の解体と化粧・飾りつけ

18
化粧・飾りつけられた神を安置しての祈り

19
対訳

20
対訳

21
饗宴と男たちの作業

22
飾られた熊神の送り

VI
祖霊祭

VII

終わりに
  奥付
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V-5.ヌサの飾り

 祈りを終え、イナウも無事に立て終えると、ヌサに張られた花ゴザの表面にさまざまなものが飾られる。これらは総じて神の国に旅立つ神へのプレゼント品である。張られたゴザの中央とその左右にヘペシト(heper sito・仔熊用の団子)が3個、その下の左右に2個のサッチェ(sat cep・干し鮭)を、花ゴザの上部左右にイナウルを巻いたイカヨ(ikayop・矢筒)を1個ずつ、その下の左右にエムアッ(emus at・刀掛け)がつけられたエムを一振りずつ掛ける。エムにもセッパ(seppa・ツバ)と鞘のまん中にイナウルがつけられている。さらにエムの下にイナウルをつけた短い儀刀・エムポイコを掛ける。5~7本ずつ束にした矢柄つきのヘペアイも5束ほど適所にかける。花ゴザの左右には、左手に3本、右手に2本の新しいクー(ku・弓)が立て置かれる。クーの上端にもイナウルがつけられてある。
 このように、おみやげ用とされる品々にはシナの皮で撚った細いひもがつけられ、これらはすべてゴザに刺された止め串・ソラリにそのひもを引っかけるようにして飾られるのである。
 こうして飾られたゴザの下には、熊の息を止めるときに使用する丸太・イヌンパニ(inumpa ni・それ、すなわち神の首を締める木、2本1組となっている)が横に置かれている(2本1組のうち下にする方の丸太をヌサの下に置く。もう一方の上の方の木は家の壁に立てかけてある)。そこにも花ゴザを一枚敷き、その左側にシントコが2個、右側に漆塗りのスウォ(suwop・蓋がついている箱)とマサシントコ(masa sintoko・行器の一種、円形ではなく角型で薄い板を張り合わせて作ったシントコ)が置かれる。これらにもイナウルがつけられる。

64 ヌサの飾りつけ

 

65 飾られたヌサ(左がポンヌサ、右がポロヌサ)

 

本書および翌1990年に実施されたイヨマンテの実施報告書は、復刻合本として再刊されており、通信販売も可能です。

伝承事業報告書2〈イヨマンテ-日川善次郎翁の伝承による-〉

  • 2002.11.30発行
  • B5版294ページ
  • 定価 2,625円

 

 


北海道白老郡白老町若草町2丁目3番4号 一般財団法人アイヌ民族博物館

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