IV.イヨマンテ-前夜祭-
IV-1.祈りの準備
いよいよ、1月24日からイヨマンテがはじまった。午前中、会場となるポロチセにゴザを敷く。このゴザは昔通りの方法で作られたゴザである。ゴザを敷くことをソカラ(sokar・ゴザを敷く)という。ただし、この日は夕方までとくに儀式はなく、日中は前日までと同じように木幣や祈りに必要とされるいろいろな道具、供物などの準備に当てられる。女性たちは各種の料理や供物作り、男性は本番に間に合うように用具の製作を急ぐ。製作された木幣その他の用具は、この日作った場所(3号チセ)のロルンプヤラ(rorun puyar・上座側の窓、これをカムイプヤラ=kamuy puyar・神窓ともいう)から出し、会場となるポロチセのロルンプヤラから中に入れられた。ただし、これらの製作物は本来は会場となる家の中で作るもので、別の家で製作するということはない。家の中に入れたものは、家の東・南壁下に置く。
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| 51 ゴザ敷き |
夕方、4時45分にイヨマンテのはじまりを告げる祈りがはじまった。シソには日川翁をはじめ、その上座側に3人の古老たちが並ぶ。これらの男性と相向かい合ってハラキソに3名の古老が座る。シソの後ろ側から入口にかけて女性たちがずらりと座る。
炉の四隅には6本の木幣が立てられる。イヌンパストゥイナウ〔I-16-(1)-g 参照〕が四隅に1本ずつ、上座側の二つの隅にはこれに加えてチェホロカケプが1本ずつ立てられている。アペエトク(apeetok・炉の上座側)には、模様入りのゴザが敷かれ、その下には、1)酒粕の入ったパッチ、2)キケパラセイナウとキケチノイェイナウ1本ずつとチェホロカケプを載せたオッチケ、3)イナウを山のようにして積んだオッチケ(otcike・膳)、4)その後ろの左側に4組のトゥキとパスイが載せられたオッチケが2個、5)その右側にピサクを入れたままのエトゥヌプ一個が載せられたオッチケ、6)さらにその後方に前日に漉した酒が入れられた樽、これらが順番に置かれている。
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本書および翌1990年に実施されたイヨマンテの実施報告書は、復刻合本として再刊されており、通信販売も可能です。
伝承事業報告書2〈イヨマンテ-日川善次郎翁の伝承による-〉
- 2002.11.30発行
- B5版294ページ
- 定価 2,625円
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