III.家に祀る神の着物替え
III-1.着物の製作と着せ替え
1月23日、酒漉しを終了した後、翌日からはじまるイヨマンテに先だって会場となるポロチセに祀る3神の着物を新しく着せ替える儀式を行なった。この家の中にはチセコロカムイ(cise kor kamuy・家を司る神)、イレスプンキオカムイ(iresu punkio kamuy・家族を育て見守る神)、イソプンキオカムイ(iso punkio kamuy・猟を見守る神)の3神が家の北東部に祀られている。イヨマンテや新築の祝い、安全祈願祭など比較的規模の大きい儀式のたびごとに、これらの神に新しい着物を着せ足す。「着物を着せ足す」とは、イナウルを削って、それをその神の対象である既存の木幣に足していくことである。かつては、こうして何回も着物すなわち削りかけをつけ足していくとふくらんでしまうので、数年に一回ほど古い着物を脱がせ新しいものに取り替えていた。今回のイヨマンテ実施にあたっては、かなりこれが厚くなってきたので、3神とも新しい着物に着せ替えることにしたのである。
まず、祀ってある3神とそばに刺してあるチェホロカケプを下げ、それをオッチケに載せて上座に置く。3神の古い着物(イナウル)をほどき、若干その古い着物を残した上で新しい着物に着せ替える。チェホロカケプも新しいものに取り替える。
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本書および翌1990年に実施されたイヨマンテの実施報告書は、復刻合本として再刊されており、通信販売も可能です。
伝承事業報告書2〈イヨマンテ-日川善次郎翁の伝承による-〉
- 2002.11.30発行
- B5版294ページ
- 定価 2,625円
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