I-17.熊に持たせるおみやげ類(製作物)
I-17-(1)花矢(ヘペレアイ)
送る熊に持たせるおみやげ用の矢である。白老では通常これをヘペレアイ(heper ay・仔熊の矢)という。白老地方には基本的に2種類のヘペレアイがある。模様が曲線状に施されたものをチノイェアイ(ci=noye ay・撚った、ねじれた模様の矢)といい、部分的に平たく削ったような花矢をチトクパアイ(ci=tokpa ay・刻み入れた矢)という。
これを10数本一緒に束ね、それを4~5個ほどひもをつけてヌサに飾る。また、花矢に柄をつけて、仔熊を遊ばせる(綱をかけて引きまわす)際に古老たちが仔熊に向かって射ったり、天に向かって射るためにも用いられる。
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| 図3. 花矢略図 |
I-17-(2)弓(クー)
弓も新しく作る。作ったものの上部にイナウルをつける。これを熊のおみやげとし、数丁ヌサに飾る。また、古老たちが花矢を射る際にも用いられる。
I-17-(3)みやげ用の干魚(サッチェプ)
鮭も乾燥させ燻製にしたサッチェプ(sat cep・干し魚)をイナウルに包む。これにひもをつけてヌサに飾れるようにしておく。これを2~3本作る。熊のおみやげとなる。
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| 36 みやげ用干魚(サッチェプ) |
I-17-(4) 串団子(シト)
(I-4、I-5のみやげ用串団子を参照)
I-17-(5) その他
(1)~(4)の際、ヌサに飾るものとして、イカヨプ(ikayop・矢筒)、エムシ(emus・刀)、タンネプイコロ(tannep ikor・長いもの、つまり刀の宝物=儀刀)やエムシポイコロ(emuspo ikor・刀の小さい宝物、つまりタンネプイコロに対する短い儀刀を指す。他地方ではタクネプイコロ=taknep ikor・短いものの宝物、ともいう)、などがある。これらにイナウルをつけてヌサに飾る。つまり、飾ることによって神の親元に帰る熊にプレゼントするのである。